• 博報堂 統合プラニング局
    コピーライター
    2015年入社

  • 博報堂 博報堂ケトル
    プラナー
    2014年入社

広告会社にいながら“ものづくり”を志向する二人。
コピーライターである髙橋良爾が開発をてがけ、それをPRプラナーの小木曽詢は世の中の目線から価値を編集し、再定義する。二人の出会いは、夢ある新しいビジネスモデルに向かっている。

二人が初めて出会ったのは、アメリカのテクノロジーコンベンション“サウス・バイ・サウス・ウエスト(SXSW)”に、博報堂グループとして出展したとき。社内の自主開発案件やクライアントと共に作った開発物を展示する機会を得て、高橋は自分の作ったものを出展し、小木曽はブースそのもののPRを担当した。それ以降、小木曽は高橋の自主開発案件のPRやデバイス開発のコンサルティングに携わっている。

高橋 「小木曽さんは、同い年ですが、困ったら相談するお兄ちゃんみたいな存在。自主プレゼンや自主開発案件の場面で、よく相談にのってもらっています。例えばクライアントのひとつとしてラジオ局があるのですが、もっと聞く人を増やしたいと。だったら、そのままそのラジオ局専用のラジオを置けばいいんじゃないのって、据え置きで聞けるラジオボックスを作ったんです。遠隔操作ができるようになっていて、音量を上げたり下げたり、スイッチもオンオフできる。これを色々な所に置かせてもらうことでラジオ局の広告になる、というビジネスモデルを考えたんです。会社からは作ったものをクライアントに持って行ってもいいよ、と言われたけれど、話題化してくれなきゃ困ると思って。そこで、こういうのは小木曽さんが得意だな、小木曽さんに相談すれば何とかなると思って相談にいったら、オフィス環境の改善と絡めたらどうだと」

小木曽 「そうそう、その相談を受けたときに思ったのは、ここにあえてラジオというタンジブルなものを置くことで、そこにコミュニケーションが生まれるかもしれない。今、働き方改革でより仕事の効率化が求められているときだから、オフィスでの休憩時間の質も上げないといけない。そういう休憩時間に自分たちの会社のことが流れたり、音楽を聴けたりといった空間が作れたら、世の中的には価値があるよねっていう話に変えたんです(笑)」

高橋 「鉛筆を刺すと何センチぐらい書いたかがわかるという鉛筆の歩数計を作ったときも、相談にのってもらったよね」

小木曽 「勉強の結果って点数しかない。だけど鉛筆の歩数計をつけると、どれぐらい勉強したかという努力量が可視化される。これって新しい勉強のスタイルだし、親子のコミュニケーションにもなる。書くことが能動的にできるということは、今後のテクノロジー教育の中でも非常に意味があるんじゃないか……と」

高橋 「そうやって小木曽くんが説明してくれる(笑)」

小木曽 「つまり僕の役割は、良爾くんが面白がって作ったラジオボックスや鉛筆の歩数計を、こういう意味があるよね、って編集してあげること。やっぱり開発主体の人たちは、それが世の中にどう受け入れられていくかということを考えつつも、なかなか言語化できないことが多いので、それを翻訳してあげることはPRの使命なんじゃないかなと思っています」

高橋 「僕がつくる資料って、すごいざっくりしているんです。そこで小木曽さんに相談すると、20ページぐらいの精密な企画書に変わる。それを持っていくと、すぐに採用されるんです(笑)」

小木曽 「良爾くんは求心力なんです。クライアントのやりたいことを良爾くんがまとめあげて、僕は遠心力的にそれを広げる」

高橋 「僕は自分がプロトタイプだなと思っていて、小木曽さんは何というのかな……」

小木曽 「編集力。プロトタイプに意味づけして編集して出していく。良爾くんは漢字で言うなら開発力ですね」

高橋 「僕の作っているものは、自主プロジェクトのものが多いので、あまり予算をかけられないこともあって、ちょっと注目されにくい。そういうときに小木曽さんの力は大きいんです」

小木曽 「いきなり話題化することを目的にして、物作りを始めると限界があります。物の価値だったり、企業側の想いだったりで止まってしまうので。話題化するとなったときには、第三者がどうポジティブに受け止めるのかということを深堀しなければいけないんです。でもクリエイターとPR、両方の人間が同じ会社にいるということが博報堂の強みだなと思います。この距離で一緒にできるからこそ、クリエイターの技術の価値や想いを組み込めるんだと思います」

高橋 「僕のつくった企画書を、そのまま形にしても、世の中で話題にならない(笑)」小木曽「でも、良爾くんの言っていることは夢があるんです。僕は夢を思想のまま止めてしまいがちで、つい緻密に書いてしまう。良爾くんの夢が形になるように工夫して編集することが、僕のできることなんです。これは夢がないとやり遂げられない」

小木曽 「今後はテクノロジーから生まれるサービスが主権を握る時代がきます。そのサービスが世の中に受け入れられるために、大事なのは最初に公からの信頼を獲得し話題になること。そして、さらにビジネスをスケールするためのボトルネックは、プレゼンスを維持できるかどうかが分岐点になると思います。となると、テクノロジー×PR×スタートアップというのは、今後のビジネスモデル開発において、とても有効なコミュニケーションプロセスじゃないかと。良爾くんのように自主開発で物を作って、クライアントといっしょに何かをやって、というところにきちんとPRが機能したら、今後はクライアント側でも使えるナレッジになるんじゃないかと考えています。実はSXSWのPRをやらせてほしい、と自分で手をあげたのも、このような背景があったんです」

高橋 「僕自身はメディアにすごく興味があって。今もラジオやODMを管轄する部門やグループ会社と積極的に関わっていますが、これからはさらにメディアと一緒になって課題解決するということをやっていきたい。その中で、それをどう波及していくのか、というところが絶対に必要になってくるので、そこはやっぱり小木曽さんにお願いしたいと思っています(笑)」

小木曽 「そうですね。良爾くんは自分でこれをやるっていう意志が強い。エゴではなくて自分が気持ちいい、やるべきことを貫き通して形にできる。課題を自分で見つけて自分で作れるというのはすごいことだと思っています。自分たちが作ったものから新しいビジネスモデルが生まれて、世の中にインパクトを与える、それが良爾くんとならできると確信しています」

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