• 博報堂 デジタルビジネス推進局
    インタラクティブプラナー
    2011年入社

  • 博報堂DYメディアパートナーズ データドリブンプラニングセンター
    メディアプラニングスーパーバイザー
    2010年入社

メディアプラナーの窪田と、インタラクティブプラナーの西濱。
ひとつのゴールを見つめる二人が、お互いの能力を遠慮なくぶつけ合ったとき、まったく新しい自動販売機コミュニケーションサービス『Tappiness(タピネス)』が生まれた。

tapしてhappyになってほしいという願いを込めてネーミングされた造語『Tappiness』。LINEをかざすとドリンクポイントがたまる自動販売機サービスだ。自動販売機で、LINEとキリンがLINEBeacon経由で繋がることで、購入するたびにドリンクポイントがたまっていき、15ポイントで好きな飲料と無料交換ができる特典チケットが付与される。またこの特典チケットはLINEの“友だち”へプレゼントすることもでき、LINEPayによる決済も可能だ。このタピネスを含む一連のLINE業務を率いたのが、窪田と西濱のツートップだった。

窪田 「キリンの自動販売機を単なる販売装置として捉えるのではなく、LINEと繋げることでマーケティング装置として捉えなおしてみようと思いました。これまで自販機はいつ誰がどこで何を買ったか一切わかりませんでしたが、この取り組みにより、顧客データと売上データが紐づくようになりました」

西濱 「フェイスブックやツイッターが大きく盛り上がり始めていた2011年に、LINEがサービスを開始しました。若年層に訴えていきたいと考えていたキリンは、この新しいSNSで何かを仕掛けたいと思っていた。かといってスタンプやコンテンツを配信するだけでは面白くない。購買データとLINEを繋げたら面白いんじゃないか、という発想からプロジェクトがスタートしたんです」

窪田 「『Tappiness』のプロジェクトはH/MPのスタッフだけで10人以上、加えて関連会社、自販機の会社、ビーコンの製造会社などを合わせるとかなりの大所帯でした。H/MP内でのプロジェクトリーダーは僕が務めましたが、実質は西濱とのツートップでプロジェクトを引っ張っていきました。西濱が大きな絵を描いて、営業の僕がビジネスデザインと戦略を着地させるための交渉をする。おおよそはそういう分担だったんですが、現実には職域を越えて、二人でがむしゃらに突っ走っていきましたね」

西濱 「新人時代に知り合ってはいたのですが、一緒に仕事をするのは初めて。でも、相性がいいんでしょうね。二人とも本質を探ることが好きで手法はなんでもいい。抽象的な理想を語り合えるんです。まずはゴールを一緒に描く。あらかじめ遠くへ石を投げておいて、さぁどうやって取りに行こうか、という風に」

窪田 「西濱とは、すごく短い時間で大きなコンセプトや方向性を共有することができます。大元の価値観が一緒なんですね。ゴールの共有が早い。具現化していくプロセスでは、お互いに遠慮なく意見を出し合いました。だからぶつかることもあった。でも見ているゴールが一緒だから仲違いにはなりませんでした」

仲良く、飛車角で攻めていったプロジェクトだったが、順風満帆とはいかなかった。

窪田 「システム開発や、デザイン制作、記者会見対応をどうしようかという最終段階で、西濱が長期休暇をとることになったんです。いよいよ佳境という一番大事なタイミングで」

西濱 「育児のために休暇をまとめて、三か月弱とったんです(笑)」

窪田 「いなくなったときは、さすがに辛かった。西濱の上司も“あいつがいなくなって、おまえ大丈夫か”と声を掛けてくれました。でも僕は“全然余裕ですよ”と。西濱が抜けてプロジェクトがガタガタです、なんて弱音を吐くのは嫌だったから(笑)。それからは、体制を強化しないとまずい、と危機感を覚えて。さらに、いろんなスペシャリストを集めました」

西濱 「そもそも僕がまとめて休みをとったのも、窪田さんなら大丈夫だと思ったからです(笑)。僕が復帰したときには、むしろチームがすごく強固になっていて驚きました。予想以上でした。さすがだと思いましたね」

西濱 「僕はロジカルに正論をぶつけるタイプです。でもそれだけでは通用しない。ともすると理想論で終わってしまう。窪田さんはこちらのネタを持って強引にでもこじ開けて行き、着地させてくれるんです。突破力があるんです。窪田さんは諦めないし、泥水を飲めるし、周囲を巻き込んでいく力がある。強引かなと思えるんだけど、勝負するものを見極め、最終的に形にしてしまう。営業なのに、クリエイティブディレクターのような要素があるんです」

窪田 「西濱が出してくるアイデアに対して“いいね。これで行こう”と、すぐにゴーサインを出すのは簡単です。“ダメだ。もう一回”と突き返すのは面倒だし、辛い。何よりすごいプレッシャーです。NGを出すからには、自分の責任がどんどん重くもなってきますから。それでも妥協できない。ギリギリまで粘りたいんです。これは極論ですが、得意先との信頼関係さえ築けていれば、白紙の企画書であっても納得させられると思っています。中途半端に綺麗な資料を作っていくより、タイムリミットのぎりぎりまで考え抜く。結果、白紙の企画書であっても思いの丈を語ったほうが、相手に熱と真意が伝わると思うんです」

西濱 「実際に、ワード1枚の資料で提案することも、多いですね」

窪田 「僕は今、メディアプラナーという職種です。これまでのメディアプラナーは既存のメディアの中から、最適なものを選び、その組み合わせを考え、適切な出稿量と出稿タイミングを探ることが主たるミッションでした。ただし、今はメディアの概念が大きく変わっています。身の周りのありとあらゆるものがメディア化する時代です。この机も自動車も全てメディアになり得る。そんな時代のメディアプラナーは、選ぶとか掛け合わせるだけではなくて、メディアそのものを作っていくことが求められるようになると思います。そう考えると、可能性に満ちたチャレンジングな職種だと思います」

西濱 「僕は今、インタラクティブプラナーという肩書です。生活者と相互関係を築くということですね。ウェブだけではなく、自動販売機のようなリアルもある、イベントもある、なんでもやれる。面白いですよ」

窪田 「それでも、今後は職種という概念自体がなくなりつつあると思います。わたしは営業職だから、わたしはマーケティング職だから、ここからここまでの職域、という風に決めてしまうと、可能性がしぼんでしまう。僕と西濱は、それがない。いい意味でお互いの職域をズカズカ踏み越えるんです。これからもそういう意識でいるし、そういう関係性でいたいと思っています」

  • 01 「Tappiness」はキリンとLINEがコラボして出来た自販機。LINEをかざすとドリンクポイントがたまり、15ポイントたまると好きな飲み物が1本無料でもらえる。